カーボンニュートラル(脱炭素)の実現に向け、二酸化炭素(CO2)を吸収するコンクリートの活用法が広がっている。コンクリートを製造する際の排出量を減らすだけでなく、実質的にゼロ以下にする「カーボンマイナス」のものもある。3Dプリンターと合わせて複雑な造形物をつくる技術も開発され、使い道が広がると期待されている。
こうしたコンクリートは「環境配慮型コンクリート」と呼ばれる。原料のセメントの代わりに、製鉄所の副産物である高炉スラグを使うことで、排出量を約8割減らせるという。
さらに空気中のCO2を吸収した炭酸カルシウムを混ぜるなどして、一般的なコンクリートをつくる際の排出量を上回る量を削減・固定できる製品もでてきた。強度は保てるという。
建材で大量に使われるだけに、ゼネコン各社が開発を進めている。
大成建設ではこれまで、社内施設の路面舗装や壁部材に使ってきたが、3Dプリンターと組み合わせることで複雑な造形を実現した。曲線が多い高さ1・2メートルの背もたれを含む長さ2メートルほどのベンチをつくり、今年度中にグループ会社の工場に置く予定だ。
コンピューターで描いた図面をもとに1センチの層を絞り出して積み上げてつくる。型枠が要らないため、人件費などのコストや工期の削減につながる。今後は建物の壁面や橋脚などに使うことをめざしている。
鹿島はCO2の削減・固定量…
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