将棋の藤井聡太8冠(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖=21)が、2024年は8冠防衛ロードを歩む。
5冠でスタートした23年は3月に棋王を奪うと、6月に史上最年少の20歳11カ月で名人に就いた。10月に初めて挑戦した王座を獲得し、将棋界初となる8冠全制覇を果たした。7日開幕の第73期ALSOK杯王将戦7番勝負第1局から今年は始動。挑戦を受ける立場だが、特に意識せずに臨む。
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タイトルに挑む立場から、守る立場になった。藤井は「盤を挟んでしまえば立場の違いとか関係なく対等な勝負になるので、意識しません」と言う。
8冠全制覇を果たした23年、対戦相手は明らかに自ら練り上げてきた戦法、研究してきた手筋をぶつけてきた。年明け初戦となった王将戦では、羽生善治九段(53)の柔軟な思考に驚き、さまざまな戦法を試された。4~5月の叡王戦は振り飛車党で、今年1月の王将戦の挑戦者でもある菅井竜也八段(31)のさばきにてこずった。
全冠制覇まであと1冠に迫った王座戦では、研究会仲間の永瀬拓矢王座(当時=31)の指し回しに負けを何度も覚悟した。3勝1敗で王座を奪ったが、「逆のスコアでもおかしくなかった。序盤の認識の深さや読みの鋭さは勉強になりました」と発した言葉が、正直な心境だろう。
そんな経験を基に、今年の抱負を語った。「序盤からさまざまな展開になる将棋がこれまでよりも増えたかなと感じているので、展開が多様化しているので、それに対応していくのはもちろん、あまり指していない形を試すことが出来たらと思います」。
防衛戦ばかりで対局数も減る。実戦不足に「練習対局の機会を確保したい」とした。趣味の乗り鉄で「鉄分補給」という盤外の息抜きも大切だが、「基本的に将棋への取り組みが常にベースになってくる」と言う。
人工知能(AI)も研究に使う。「実戦で応用できる形にできる工夫が必要。将棋は局面で絶対的な正解があるゲームではない。いろいろな局面で経験値を高めていくことで、急所をつかんで考えていければ」と、課題を挙げた。
年長者だけではなく、同世代や若い世代の将棋にも注目している。昨年の竜王戦に続き、今年2~3月の棋王戦では同学年の伊藤匠七段(21)との再戦となる。昨年の新人王戦決勝3番勝負を戦って優勝した上野裕寿四段(20)、準優勝の藤本渚四段(18)の名前を挙げた。「対局の内容を見ていても力強い内容で、注目しています」。大きな舞台での対戦も想定される。
1月は王将戦、2月からは棋王戦と時間差で防衛戦が始まる。2020年(令2)7月に初タイトルとなる棋聖を獲得して以来、現在タイトル戦は負けなしの19連勝。故大山康晴15世名人が63年の名人戦から66年の名人戦まで達成した最多記録に並んでいる。
期待される「大山超え」も特に意識はしない。昨年11月、竜王3連覇の一夜明け会見で揮毫(きごう)した色紙「盤上没我」のように、将棋に集中する。【赤塚辰浩】
◆藤井聡太(ふじい・そうた)2002年(平14)7月19日、愛知県瀬戸市生まれ。杉本昌隆八段門下で、12年にプロ棋士養成機関の奨励会入会。16年、最年少14歳2カ月でプロ入り。20年の棋聖戦で、最年少記録の17歳11カ月で初タイトル。23年に初挑戦した王座戦でタイトルを奪い、史上初の8冠全制覇を達成。通算タイトル獲得は19期(竜王3、名人1、王位4、叡王3、王座1、棋王1、王将2、棋聖4)。
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