東北大学は2023年11月27日、光スイッチなどへの応用が可能な白金による一次元鎖三価錯体の合成に成功したと発表した。
一次元鎖ハロゲン架橋白金系金属錯体は、化学構造や結晶構造によって、光物性などのさまざまな物性を示す。
一次元錯三価錯体は光学材料への応用が期待されており、特に一次元鎖ニッケル三価錯体は、巨大三次非線形光学効果を示すことが分かっている。さらに、白金三価錯体は電荷移動吸収帯が低エネルギー側にシフトすると予想されていたために、ニッケル錯体を超える巨大三次非線形光学効果が期待されている。しかし、これまでニッケル以外の金属では一次元鎖三価錯体は実現されなかった。
今回の研究では、一次元鎖要素架橋白金錯体中で、カウンターアニオンにアルキル鎖を複数導入。アルキル鎖間に働くファスナー効果と呼ばれる化学的引力を利用することで、一次元鎖白金三価錯体の合成に成功した。同大学によると世界初となる。
今回合成に成功した一次元鎖白金三価錯体は、巨大三次非線形光学材料や光通信、光スイッチ用材料などへの応用が期待されるという。
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