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動物も歯は命、応用力でケア 小児歯科医の岡崎好秀さん:朝日新聞 ... - 朝日新聞デジタル

 高齢化にともない生じる問題は、人間だけでなく動物も同じだ。動物園や水族館で高齢化する生き物の「歯のケア」のため、小児歯科医の岡崎好秀さん(70)は岡山市北区池田動物園など各地の動物園に足を運ぶ。

 大阪市出身。1984~2014年に岡山大学病院の小児歯科に30年間勤めるなど、小児歯科や障がい児歯科を専門にしてきた。歯の治療だけでなく、子どもたちが歯に興味を持ってもらうような仕掛けも考え続けている。その一つが、子どもが好きな動物の話題から歯の話につなげること。そのために動物と歯に関する情報を集めている。

 池田動物園で歯のケアに携わるようになったきっかけは17年秋、国内最高齢24歳のベンガルトラ「ヒロ」の死だった。人間で言えば100歳という長寿。飼育員が餌の肉を与えると、なぜか顔の右側を下にして食べるようになっていた。ヒロの左側の犬歯(牙)は抜けていて、死後に大量の歯石がついていたことが分かった。顔の右側を下に向けていたのは、歯が抜けて不自由だったのが理由とみられた。

 もっと早く歯のケアをしていれば、もう少し長生きさせられたかもしれないと感じ、同園では獣医師に肉食獣の歯石を取ってもらうようにした。

 ほかの動物園から「カバの食欲がない」と応援要請を受けて見にいくと、歯周病で歯グキが腫れて餌をかめていないことが分かった。獣医師に市販のヤスリで歯を削ってもらうと食欲が復活。歯周病対策として、食事のたびに歯磨きしてもらうようにした。そのカバは今、元気に口をぱかっと開けて来園者を喜ばせている。動物のケアは「アイデアと応用力が大切」と語る。

 こうした実績をもとに、依頼があれば全国の動物園や水族館に出向く。経験談をまとめては専門家にイラストを描いてもらい、子ども向けの漫画にして発行もしている。現在は毎年1~2冊のペースで著作を出版し、講演活動もしている。

 「人間の健康寿命を長くすることと同じで、動物たちの『いい時間』をより長くし、『いい一生』をおくってもらいたい」との思いを込めている。

 1990年代前半からはモンゴルを訪れ、発展に伴う食生活の変化で深刻化している子どもの虫歯治療に携わってきた。そうした縁で2013年からはモンゴル国立医科大の客員教授を務めている。「モンゴルでも虫歯予防や治療とともに優秀な歯科医を育てることが重要。教育は最大のワクチンです」と胸を張る。(雨宮徹)

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