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低次元マテリアルのデバイス応用に向けた基盤技術の創出|戦略 ... - jst.go.jp

科学技術未来戦略ワークショップ報告書

  • 材料・デバイス

エグゼクティブサマリー

本報告書は、国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が令和4年11月12日に開催した科学技術未来戦略ワークショップ(WS)「低次元マテリアルのデバイス応用に向けた基盤技術の創出」に関するものである。

CRDSでは有識者へのインタビュー、国内外学会への参加などの調査活動、クローズドの研究開発検討会を通して、今後取り組むべき重要な研究開発課題や、それを実施する研究開発の体制・仕組みなどについて検討し、低次元マテリアルのデバイス応用に向けた基盤技術に関する仮説(骨子案)を作成した。本ワークショップでは、このCRDSの仮説の提示と、低次元マテリアルの新機能性創出とデバイス応用、半導体集積回路における極薄チャネル形成の要求についての話題提供を基に、我が国が取り組むべき研究領域、研究体制、異分野連携・産学連携・国際連携、人材育成について総合討論で議論した。

CRDSの仮説として、①コンピューティング技術、通信技術、IoTセンシング技術の高性能化・低消費電力化の根幹となる先端的な材料・デバイスの研究開発は我が国にとって今後も不可欠なこと、②将来は膜厚5nmを切る極薄膜チャネルが要求されることから、これを半導体技術の大きな転換期として捉え、極薄膜を含めた低次元マテリアルの多様な構造の物性と制御方法の理解、デバイス化・集積プロセスのコアとなる基礎・基盤技術の創製を戦略的に進めるべきこと、③研究開発体制として、低次元マテリアルの材料・基礎科学分野とデバイス分野の連携の強化、成膜やデバイス試作の共用施設の整備と人材育成への活用、集積化技術に強みを持つ友好国の研究機関との国際連携、実用化に向けた産学連携の促進、これらを支援する国のファンディングが必要なこと、④日本の材料技術や結晶成長・成膜技術の強みを活かして高品質成膜技術やヘテロ界面制御技術を強化し、デバイス研究に向けた低次元マテリアル基板の供給を図ることや、我が国の装置産業に展開することが重要なことを示した。

話題提供では、「2次元異種材料のヘテロ接合形成と新機能創出」、「二次元原子薄膜へテロ接合材料のテラヘルツ波デバイス応用」、「低次元マテリアルのデバイスシミュレーション」、「極薄膜チャネルの移動度低下と最適チャネル材料」、「エレクトロニクス応用を目指した二次元物質と2.5次元物質の創製」、「ゲートスタックとしきい値制御技術」、「ALE/ALDが可能な2次元材料」、「三次元集積およびメモリデバイスへの極薄膜材料の可能性」が紹介された。

総合討論では、CRDSの骨子案や話題提供の発表と質疑、事前アンケート結果を踏まえて、(1) 戦略的に強化すべきデバイス応用・産業領域、(2) ボトルネック研究開発課題、(3) 必要な研究支援策と効果的な研究開発体制(研究拠点、産学・海外連携など)、(4) 人材育成、情報の保護、に対して議論し、それぞれに具体的な対応の方向性が示された。

ワークショップでの議論を踏まえ、CRDSでは今後国として重点的に推進すべき研究領域、具体的な研究開発課題を検討し、研究開発の推進方法も含めて戦略プロポーザルを策定し、関係府省や関連する産業界・学界等へ提案する予定である。

※本文記載のURLは2022年11月時点のものです(特記ある場合を除く)。

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