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ボッシュのCESの目玉はセンサー、量子技術で医療応用も視野 - ITpro

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 ドイツBosch(ボッシュ)は、テクノロジー見本市「CES 2023」(2023年1月5~8日、米国ラスベガス)の開催前日となる2023年1月4日(現地時間)、センサー事業を強くアピールしたプレスカンファレンスを実施した(図1)。登壇した同社 取締役会メンバーのTanja Rückert氏や、同社北米法人 社長のMike Mansuetti氏は、センサーの用途は車載だけでなく、健康状態の改善や有害物質の検知といった“ヒューマンセキュリティー”全般に関係することを強調した。

図1 プレスカンファレンスの様子

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図1 プレスカンファレンスの様子

(写真:日経クロステック)

 同社は新しいセンサーを多数発表した。いずれも開発・提供するのはBosch子会社のBosch Sensortec(ボッシュ・センサーテック)だ。

 1つめは、過酷な環境でも使える大気圧センサー「BMP585」。数cm単位の高度の変動を測定できるので、懸垂や腕立て伏せといったフィットネスに使えるほか、耐液ジェルカバーによって水中環境への耐性があり、水泳用のウエアラブル製品用途も見込む。

 2つめは、次世代地磁気センサー「BMM350」。装着している利用者が向いている方向を検知する機能が組み込まれている。例えば、3Dオーディオや、ナビゲーションシステムで威力を発揮するという。BMM350の平均消費電流は200μA(データレート100Hz)で、これは前世代機「BMM150」の20分の1に当たる。低消費電流化したうえで、性能を向上させた。x/y軸ノイズはBMM150比3分の1、感度は4倍になったという。

 3つめは、スマート慣性センサーシステム「BHI360」および「BHI380」。BHI360はプログラムの実行環境を持ち、内蔵ソフトウエアを活用して単独で簡単なジェスチャー検出や歩数カウントを行える。これによりメインデバイスのプロセッサー起動の回避につながり、消費電力を削減できる。BHI380はさらに自己学習型AI(人工知能)ソフトウエアも搭載する。

 4つめは、粒子状物質(PM2.5)空気質測定センサー「BMV080」。既存の同等のデバイスと比較して450分の1以下と圧倒的な小型化を実現した。空気質モニターやスマートスピーカーなどのIoTデバイスに向くという。

 今回の発表では、こうしたMEMSセンサーに加え、量子センサーの開発についても言及した。同社は2022年2月、量子センサーの商用化を目指すスタートアップを設立している。「まだ(開発の)初期段階だが、量子センサーは今日のMEMSの1000倍の精度で測定できると推定される。アルツハイマー病や義肢の使用といった神経学的な症状をより迅速かつ正確に診断できるようになるだろう」(Rückert氏)という(図2)。

図2 量子センサーを医療に応用

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図2 量子センサーを医療に応用

(写真:日経クロステック)

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