日本学術会議は、軍事用と民生用のどちらにも応用できる「デュアルユース」技術について、それ以外の技術と「単純に二分することはもはや困難」とする文書をまとめ、小林鷹之・科学技術担当相に提出した。人工知能(AI)や量子技術など安全保障にも関わる科学技術の重要性が高まる中、軍事転用される可能性を見極めて研究を一律に規制することは難しいとの見解を示した形だ。
学術会議は2017年、防衛装備庁がデュアルユース技術の研究を助成する制度について、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と指摘する声明を公表した。ただし、そうした研究を禁止はせず、大学などで審査する制度を設けるべきだとしていた。また、1950年と67年には、「戦争を目的とする科学研究は行わない」などとする声明も出している。
学術会議によると、17年の声明も含め、過去の声明を継承する姿勢は変えていない。ただ、近年は基礎的な研究であっても軍事用途など多様な使い方に応用される可能性が高まっている。梶田隆章会長は27日の定例記者会見で「時代に即して我々の考え方を進化させたということだ」と説明した。
米中対立の激化を背景に、安全保障上、重要な技術を他国へ流出させないための取り組みが研究現場にも求められ始めている。またデュアルユース技術を巡っては、文部科学省や経済産業省が計約5000億円を助成する予定の「経済安全保障重要技術育成プログラム」の公募が今年度から始まる。研究成果は結果的に防衛装備品の開発に寄与する可能性もある。学術会議はこうした背景を踏まえ、デュアルユース技術も含めた先端科学技術に関する考え方を整理していた。【池田知広】
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