新型コロナウイルスの影響で売上が減少した事業者への支援策である「家賃支援給付金」。その申請受付が今月14日から始まる。先日、楽待新聞で紹介した必要書類などの一部詳細に加え、申請の流れや条件を記載した「申請要領」が7月7日に公表された。
本記事では、家賃支援給付金の内容をおさらいしつつ、申請方法や開業1年未満の事業者への例外措置など、今回公表された制度の詳細を紹介。制度の詳細は公表されたが、通知の仕組みや、給付金の使用制限については不十分な面も多く、議論を呼びそうだ。
最大600万円の給付金を一括で振り込み
まずは、家賃支援給付金の内容についておさらいしよう。新型コロナウイルスの影響で売上が大幅に減少した全国の中小企業・個人事業主の事業継続を支えるため、最大600万円(個人は300万円)を一括で支給する制度だ。
<給付条件>
中堅企業、中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者などであって、5~12月において以下のいずれかに該当する
(1)いずれか1カ月の売上高が前年同月比で50%以上減少
(2)連続する3カ月の売上高の合計が前年同期比で30%以上減少
<給付額>
算出給付額の6カ月分
<算出給付額>
・法人
直近の支払家賃が75万円以下の場合は、支払い家賃の3分の2
75万円を超える場合は、75万円の超過部分×3分の1+50万円
・個人事業者
直近の支払家賃が37.5万円以下の場合は、支払い家賃の3分の2
37.5万円を超える場合は、37.5万円の超過部分×3分の1+25万円
※給付額の上限は、法人が月額100万円、個人事業主は月額50万円
<給付額の算出例:法人で月額家賃105万円の場合>
(105万円ー75万円)×3分の1+50万円=60万円(算出給付額)
60万円×6カ月=360万円(給付金の合計)
申請はインターネットで、開業1年未満も対象に
続いて今回公表された申請要領で、オーナーに知っておいてほしい内容を4点紹介していこう。
(1)ホームページから申請可
給付金の受付は14日から開始される。申請は家賃支援給付金のホームページから、インターネット上で行えるようになる。この申請ページは現在準備中で、準備が完了次第、公表される予定。
(2)新規開業した事業者も給付対象に
6月に公表された情報では、前年同月の売上との比較が給付条件となっていた。そのため新規開業してから1年未満の事業者は、給付条件を満たすことができなかった。
しかし、今回の申請要領によると、こうしたケースでも一定の要件を満たせば給付金を受けられる仕組みがあることがわかった。具体的には、開業した月から2019年12月までの平均売上と、2020年5月以降で減少した1カ月(もしくは連続した3カ月の合計売上)を比較し、給付条件である50%以上の売上げ減少(連続した3カ月合計の場合は30%)が必要になるようだ。
また、2020年1~3月の間に開業した事業者も給付の対象にする方針のようなので、詳細が公開された際は注目したい。
(3)転貸や親族間賃貸は対象外
給付金の対象外になる例として、民泊のように申請者が建物を転貸している場合や、貸主と借主が親会社と子会社のように親子会社や親族関係と見られる賃貸契約の場合などが挙げられるので、注意してほしい。
(4)家賃の免除や猶予を受けていても支給対象に
給付金申請に必要な書類には、賃貸借契約書や本人確認書、売上減少を証明する書類があるが、もう1つ、「直近3カ月分の家賃支払い実績」も求められる。具体的には銀行通帳の写しや振り込み明細書などがこの書類に該当する。しかし、コロナの影響で家賃の免除や猶予を受けている事業者は、こうした書類が用意できない可能性があり、疑問の声が上がっていた。
7日に発表された申請要領ではこの点についても言及されており、こうしたケースでは給付金の申請日から1カ月以内にひと月分の家賃を支払ったことを証明する書類(通帳の写し、領収書など)と、家賃の免除や猶予を受けたことを証明する書類が用意できれば、給付の対象になると明記されている。
また、これらの書類が用意できない事業者に向け、所定の様式による家賃の支払い証明書や、家賃を免除・猶予した証明書のひな型がホームページで公開される予定だ。事業者はこのひな型をダウンロードし、必要事項を記入して提出すれば給付金を受け取ることができる。
支給時にはオーナーに通知、ただし使途制限はなし
家賃支援給付金の制度が成立してからこれまで、オーナーからは「賃貸人が給付金を申請したことを確認できるのか」「給付金がちゃんと家賃の支払いに使われるのか」など懸念の声があがっていた。
今回の申請要領ではこの点についても触れられており、賃借人が給付金を申請し、振り込みが決定したタイミングで、物件オーナーにも給付決定のお知らせが送付される予定だ。オーナー側が入金の事実を知る仕組みは用意されることになりそうだが、具体的なお知らせの送付方法は「まだ決まっていない」(経済産業省担当者)という。オーナーに間違いなくお知らせが送付されるのか、引き続き同制度の詳細に注目しておく必要がありそうだ。
また、現在のところ給付金の使い道を家賃に制限する仕組みも存在していないようだ。給付を受けた事業者が家賃以外に使用した場合の罰則について経済産業省に問い合わせたところ、「罰則の対象となるのは不正受給のみで、給付金の使い道に関する罰則はない」という回答だった。さらに、こうしたオーナーからの問い合わせを受けるための相談窓口もないという。
以上のことから、今回発表された申請要領の内容を総合すると、不動産オーナーは、賃借人が給付金を受け取ったことまでは知ることができるが、使い道までは干渉できない仕組みになっている。給付金は6カ月分が一度に支給されるが、コロナの影響で依然として経営が苦しい事業者などの中には、その一部を運転資金に回してしまうといったケースも考えられる。給付金を正しく家賃の支払いに利用してもらうためには、賃借人にオーナー自ら家賃の支払いのために給付金を利用するよう促す必要がありそうだ。
◇
6月12日に補正予算が成立し、家賃支援給付金が正式に決定してから約1カ月、ようやく申請の受付が始まろうとしている。コロナの影響で売上げが減少する中、家賃の支払いに窮していた事業者にとっては待望の制度といえる。一方、オーナーからすれば、給付金が正しく家賃に支払われるか不安に感じる人もいるかもしれない。先述した通知の仕組みなどについて、詳細の決定が待たれる。
いずれにせよ、事業者の家賃滞納リスクを回避するためには、ぜひ有効に活用したい制度であることに変わりはない。事業者によっては、給付対象になることに気付いていない場合も考えられる。オーナーもこの制度について理解を深めておき、給付金額や申請方法を教えることも大事になるだろう。
(楽待新聞編集部)
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July 10, 2020 at 04:03PM
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