介護の際にベッドから人を起こすなどの動作で、腰痛などを発症する人たちの悩みを解消しようと、少林寺拳法の動きを応用した介護の技術を教える研修会が秋田市で開かれました。
この研修会は、秋田労働局が開き、介護施設の関係者など16人が参加し、はじめに秋田労働局の担当者から県内の社会福祉施設では、腰痛や関節を痛める労働災害が3割を占めることなど説明を受けました。
このあと、秋田県内で少林寺拳法の教室を開いている男性が講師役となりベッドで寝ている人を力をほぼ使わずに座らせる実習が行われました。
ふだんなら相手を持ち上げるなど腰や腕に負担がかかる作業です。
しかし、寝ている人のひざを立て、腕を胸の辺りでクロスに組ませたあと、ひざを横に押し倒すとともに頭の下に潜り込ませた腕を引き上げると寝ている人がこまのように半回転しながら簡単に起き上がりました。
お尻を支点に相手の回転する動きをいかす少林寺拳法の動きが応用されているということで、試した参加者は腕や腰に負担がかからないことに驚いていました。
参加した人は、「施設でも腰痛で辞めてしまう職員がいて人手不足のなか大きな痛手で困っていた。こうした方法を広めて離職者を減らしたい」と話していました。
講師を務めた松浦英明さんは、「施設だけでなく、在宅での介護でも役に立つ技術なので、多くの人に知ってもらい負担を減らしてもらいたい」と話していました。
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