アイフライテック大規模AIモデルを応用した子ども用学習機発表 - 日経クロストレンド

中国の音声認識大手「科大訊飛（アイフライテック）」は2023年7月6日、スタンディング式大型スクリーンAI（人工知能）学習機「LUMIE10」シリーズを発表した。同社は今回、3歳から8歳の子ども向けにより細かい機能をカスタマイズし、幼少期の子どもの認知能力・思考回路の発達や学習習慣の育成、学習の基礎固め、そして心身の健康的な発育に適した学習ソリューションを提供する。注目したいのは、自社の大規模AIモデルを応用している点だ。

中国の音声認識大手「科大訊飛（アイフライテック）」が2023年7月6日に発表したスタンディング式大型スクリーンAI学習機「LUMIE10」シリーズ（画像はアイフライテックのニュースリリースから）

　今回発表された科大訊飛のLUMIE10シリーズは、同社の従来型AI学習機が備える3歳から18歳の未成年を対象とするパーソナライズ化された学習システムをそのまま継承する。

　同時に、スイスの心理学者であるジャン・ピアジェ氏が提唱した認知発達段階論（子どもの思考は大人の思考と異なるとし、誕生～青年期の認知発達を「感覚運動期」「前操作期」など4つの段階に分類したもの）に基づき、中国政府教育部監修の「3～6歳の児童を対象とする学習および発展ガイド」に準拠した研究開発を実施した。

　こうして生まれたLUMIE10には、健康的な学習スタイルの維持、啓発的な学習による知能の発達、学習習慣の形成、知識学習の機能などにおいて、さまざまな工夫が加えられている。

　とりわけ3歳から8歳の幼少期は、啓発的な教育を施す際の黄金期にあたり、保護者は子どもへの啓発的な教育をどのように行うべきか、子どもは何を学ぶべきか、そして、保護者はどのようにその知識を教えるべきかなどが問題となる。

　LUMIE10は、これらの問題に対して、主に以下で紹介する4つの面から子どもの学習意欲を引き出すとともに、子どもに対して科学的かつ総合的な啓発的学習ソリューションを提供する。これにより、子どもの基礎的な学習能力を、知らぬ間に高めることができる。

　LUMIE10は現在、科大訊飛のオフラインフラッグシップ店舗や中国のオンラインEC（電子商取引）サイトなどで、スペック別に公式価格5999～9999元（約11万6980円～約19万4980円）で発売されている。

LUMIE10が実現する4つの啓発的学習とは

　1つ目は、エンターテインメント性にあふれるバイリンガル教育で、言語学習の黄金期を逃さない啓発的言語学習だ。中国語学習のためのコースは、かわいらしいアニメレッスン方式を採用。子どもはパンダのキャラクターとともに旅をしながら、文字の読み方、発音の仕方、詩や故事成語を学ぶことができる。中国の優れた伝統文化や人文地理に関する探索を通じて、母国語を学習できるわけだ。

　また、英語学習のためのコースは、子どもの興味をそそるスペリングアニメレッスン方式を採用した。子どもは、アルファベットや単語の読み方を簡単に習得でき、そのスペルの規則もマスターできる。加えて、ゲーム感覚のAI英語レッスンを通じて、楽しみながら本格的な英語表現を身に付けることができる。

子どもの興味をそそるスペリングアニメレッスン方式を採用した英語学習のためのコース「瑞恩熊（ルイオンション）AI英語」（画像はアイフライテックのニュースリリースから）

　2つ目は、レベル別読解ソリューションで読解力を科学的に向上させる啓発的読解学習だ。中国語のレベル別読解では、読み上げ機能付きの3100冊以上の優れた電子書籍を収録している。それらは、学年別に分類されているほか、中国における教科書新課程の必読図書や楽しい読書シリーズといった49のカテゴリーにも分けられている。

　英語のレベル別読解では、英オックスフォード大学出版局のオリジナル絵本とRaz Kids（英語圏の小学校などでリーディング副教材として使われているオンライン型図書システム）のレベル別絵本作品を収録し、英米式のスタンダードな子ども向け読み物を基本的にカバーしている。