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「基礎を固めてから応用へ」は間違い…勉強の達人が推奨"数年上の学年の教科書"を読む驚きの効果 勉強の最大のインセンティブは「学ぶ楽しさ」を実感すること - PRESIDENT Online

新学期に新しい単元に苦しむ学生、初めて接する業務に悩めるビジネスパーソンは多い。学習がはかどるいい方法はないか。近著『超「超」勉強法』が話題の野口悠紀雄さんは「なにごとも登山のように麓(基礎)から一歩一歩登れ、という考え方ではなかなか先に進めません。勉強は、8割分かったら先に進むというくらいがいいのです」という──。(第4回/全7回)

※本稿は、野口悠紀雄『超「超」勉強法』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

「基礎から積み上げよ」は正しいか?

「勉強は、基礎から徐々に積み上げよ。基礎が大事」といわれます。

基礎がしっかりしていないと、応用ができない。登山で、ふもとから一歩一歩登るように、基礎から順に進まなければならないというのです。基礎をしっかり理解してからでないと、先に進んではいけないということです。

しかし、基礎は難しいし、退屈です。「教科書の最初のページが完全に理解できてからでないと、つぎのページに進んではいけない」と考えると、なかなか進めません。

完全に理解することができないので、そこで立ち止まってしまう。これが一番良くないことです。真面目な学生ほどそうなります。

子供の遊び場

写真=iStock.com/Techa Tungateja

※写真はイメージです

数学ではことに基礎が難しい

基礎が難しいのは、数学において、とくに顕著です。

例えば、数の概念。3かける4はなぜ12なのか? これを説明するのは、そう簡単ではないでしょう。

平行、直線などの概念もそうです。平行とはどこまで行っても交わらないことだというけれど、どこまでも行くことはできない。それを、どうやって確かめるのか?(実は、これは定義なので、そのまま受け入れるしかないのですが)

直線は2点を最短距離で結んでいる。では、最短距離とはいったい何か? どうやって確かめられるのか?

物理学でも基礎概念は難しい。「光は直進する。最短距離を走る」というのですが、光は、どうやってその経路を見出しているのでしょう? 誰に聞いても分からないので、誰もがいい加減に理解しているのだと思います。

多くの人は、これらについて、曖昧あいまいに理解しただけです。あるいは、単に覚えたのです。しかし、それでよいのです。

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