【研究に資する培地分析の基礎とその応用】 (約45分)
演者 :堀江 正信 先生 (京都大学 環境安全保健機構 助教)
本セミナーの概要
細胞培養における培地の歴史や基礎から応用例、また、培地およびその成分選択はコスト、安全性の担保、品質管理という点に着目し、培養培地分析に対する基本的な考え方についてご講演いただきました。
【要旨】21世紀はバイオの時代と言われて久しい昨今、多くの研究者が生体由来の哺乳類細胞(以下「細胞」と呼ぶ)を研究資材として用い、様々な成果が発表されている。
用いられている細胞は当然生物であるために、グルコースに代表される「増殖する」もしくは「機能を維持する」ための各種成分が必要となり、我々はそれらを培地として供給している。一方で、現在一般的に用いられている細胞や細胞培養培地選択の歴史は古く、
多くの研究者は培地選択や成分においてあまり深く考察することは少ない。
しかし近年、細胞由来の抗体医薬品分野や、細胞自身を製品とする再生医療等製品分野において、新たな細胞が次々に樹立・応用されており、培地およびその成分選択はコスト、安全性の担保、品質管理という点において重要さを増してきている。またラボレベルの実験過程において、培地成分の枯渇などに注意を払うことは少ないものの、実験の再現性や安定性を担保するために、細胞培養培地の成分変化を定量的にモニタリングすることは有用である。
本講演では、細胞培養における培地の歴史や基礎、さらに応用例を交えながら、培養培地分析に対する基本的な考え方をご紹介する。
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