東北大学やドイツの研究機関は、野菜などに含まれるビタミンKに認知症などとの関連が指摘される細胞死の一種「フェロトーシス」を防ぐ効果があることを発見したと発表した。研究がさらに進めば、様々な病気の治療薬の開発につながる可能性があるという。研究成果は4日、英科学誌「ネイチャー」に掲載された。
ドイツ・ヘルムホルツ研究センターの三島英換・客員研究員(研究当時は東北大助教)らの研究チームが発表した。フェロトーシスは2012年に提唱された細胞死の一種で、細胞膜の成分の脂質が酸化して引き起こされる。生体内での役割などは不明だが、認知症や肝障害、心筋障害など様々な病気と関連するとされる。
研究チームはフェロトーシスを起こす特殊な細胞を使い、野菜や肉に含まれるビタミンKがこの細胞死を抑えることを発見した。フェロトーシスによる肝障害などを起こしたマウスにビタミンKを与えると、臓器の障害を抑えられた。
仕組みを調べると、ビタミンKが特殊な酵素によって抗酸化物質に変化し、酸化した脂質を捉えてフェロトーシスを防いでいた。この酵素は、血液を固まりにくくする薬の過量投与による中毒症状をビタミンKが抑える際にも働くことが分かった。
三島研究員は「今回の発見が認知症などの新しい治療法につながることを期待したい。生命の進化とフェロトーシスの関係についても研究を進めたい」と話した。
現状ではフェロトーシスと様々な病気との詳しい関係は不明だ。またマウスの実験で与えたビタミンKの量は、通常の食事で取れるものよりもはるかに多いという。三島研究員は「ビタミンKを多く含む食品を食べれば、関連する病気を予防できるわけではない」と話した。
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