12月5日、声優のキートン山田(75)が、2021年3月をもって引退することが明らかになった。1990年にスタートしたテレビアニメ『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)で、第1回から一貫して務めてきたナレーションも、3月で卒業となる。
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『ちびまる子ちゃん』での語り口から、飄々としたイメージを抱かれがちなキートンだが、その演技の幅は広く、50年の声優キャリアのなかで、さまざまなキャラクターを演じてきた。なかでも『ちびまる子ちゃん』と並ぶ彼の代表作とされるのが、1979年から放送された『サイボーグ009(テレビシリーズ第2作)』(テレビ朝日系)だ。
『サイボーグ009』は、これまでに何度かアニメ化されているが、このテレビシリーズ第2作は非常に完成度が高く、第二次ベビーブーム世代が視聴者の中心だったこともあり、ファンの多い作品だ。
このころ、本名の「山田俊司」の名で活動していたキートンは、旧東ドイツ出身で全身を兵器に改造されたサイボーグ「004:アルベルト・ハインリヒ」を好演。圧倒的な戦闘力と、クールさと情熱を合わせ持ったキャラクターで、当時の小学生たちには主役の「009」以上の人気を博す存在となった。
のちに作られた劇場版(1980年)では、テレビシリーズ以上に重要な役どころとなっている。
キートン自身も、このキャラクターには強い思い入れがあったようだ。2001年、本誌記者は『ちびまる子ちゃん』収録現場の取材で、キートン自身にインタビューする機会があった。本来ならば、「まる子」の話をまず聞かなければいけないのだろうが、「004」の大ファンだった記者は、開口一番、思わずこう話しかけた。
「キートンさんといえば、いまや『ちびまる子ちゃん』のナレーションの人、といわれることが多いかと思いますが、僕にとっては永遠の『004』なんですよ!」
すると、彼は満面の笑顔でこう答えてくれた。
「おー、そうか! 嬉しいなー。じつはね、この間、井上和彦(主役の『009』を演じた声優)とちょうど飲んでね、『またみんなであれ、やりたいねー』なんて話していたところだったんだよ!」
アニメ終了から20年以上たっているのにもかかわらず、である。あまりの反応に、こちらも大喜びしてしまった。そこからは真面目に、『ちびまる子ちゃん』についてインタビューさせていただいたが、「また(『004』を)やりたい」という彼の言葉は、作品への強いこだわりを感じさせてくれた。
アニメに最終的に命を吹き込む声優は、子供たちに想像以上の影響を与えるもの。レジェンド級の演者がまたひとり、現役を去っていくのは残念でならない。
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