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「いつか犯人を現場に」妻を殺されたアパート20年借り続ける…63歳男性の思い - 読売新聞

 殺人などの未解決事件の継続捜査を阻んできた公訴時効の撤廃から、27日で10年になる。名古屋市の自宅アパートで妻を殺害された未解決事件の遺族で、時効撤廃活動に奔走した夫の高羽悟さん(63)は「いつか犯人を現場に立ち会わせる」との思いから、事件後、20年余りにわたってアパートを借り続けている。

 妻の奈美子さん(当時32歳)が当時2歳の長男(22)の歯科検診日を手書きしたカレンダー、いつも着ていた赤い羽織……。室内の光景は今もほぼ変わらない。玄関の床に残された犯人の血痕も当時のままだ。「逃げ得は許さないという一心だった」。高羽さんはかつて幸せに暮らしていた部屋で、時効撤廃を勝ち取ったあの日を振り返った。

 事件が起きたのは1999年11月。アパート玄関奥の廊下で奈美子さんが首などを刺され、血だらけで倒れているのが見つかった。「なぜ奈美子だったのか……。真実を知りたい」。高羽さんは同市内の実家に戻ったが、犯人逮捕までアパートを借り続けることを決意。しかし捜査は難航した。

 時効成立まであと6年を切った2009年、殺人事件の被害者遺族らが時効撤廃に向けて「そらの会」を結成すると聞き、迷わず参加した。同会はインターネットなどで時効撤廃を求める署名を計約5万人分集め、法相に提出。翌10年4月、殺人などの公訴時効を撤廃する改正刑事訴訟法が成立し、高羽さんはその瞬間を国会で見届けた。

 あれから10年。「執念」で払い続けた家賃は総額2000万円近い。年金生活に入り、家賃が重くのしかかるが、「自分を奮い立たせるためにも借り続けている。犯人は自ら出頭してほしい」。事件解決の日を変わらず待ちわびている。

 殺人などの時効撤廃を受け、各地の警察は「コールドケース」と呼ばれる未解決事件を調べる専従チームを発足させるなどして、捜査に力を入れてきた。

 東京都足立区で2002年、23歳男性が殺害されて財布などが奪われた事件では、当時近所に住んでいた40歳代の男を17年後の19年1月に強盗殺人容疑などで逮捕。広島県廿日市はつかいち市で04年、17歳の女子高校生が刺殺された事件でも、14年後の18年4月に30歳代の男を殺人容疑で逮捕した。いずれもDNAや指紋などの物的証拠が決め手となった。

 一方、増え続ける証拠品の管理が課題となった。警察署で証拠品を収納しきれないことが増え、一部の警察は専用庁舎や大型倉庫などで集中管理を行う。

 警視庁は一つ一つの証拠品にQRコードを付け、品名や押収日、保管場所などをコンピューターで一括管理。DNAや指紋など劣化の恐れがある証拠品については、密封して専用冷蔵庫に入れ、異物の混入や紛失を防ぐ。証拠品は今月時点で約50万点。裁判で物的証拠が重視される傾向も強まっており、同庁幹部は「品数がどれだけ増えようとも、あらゆる手を尽くして適切な管理を続けていく」と話す。

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April 27, 2020 at 11:37AM
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