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ソリトンシステムズ、モバイル通信で低遅延伝送実現 遠隔操縦に応用 - 日刊工業新聞

ソリトンシステムズは米インテル出身の鎌田信夫会長が創業。ネットワークや半導体関連などIT業界にソリューションを提供してきた。その同社が提供する「Zao―X」システムはモバイル回線で超低遅延で映像・音声といったデータ伝送を実現した製品。遠隔医療や飛行ロボット(ドローン)の遠隔操縦など幅広い分野で活躍している。

同システムは放送局を中心に展開してきたシステムで、現在は第5世代。複数のSIMを搭載し、回線ごとの速度などを監視しながら最適なルートでデータ伝送する。モバイル通信で運用可能で高速・低遅延、高品質なデータ伝送が可能。伝送距離が短い分、衛星通信よりも高速だ。

中継車なしで機動的に映像を送信でき、データ伝送が切れては困る放送局のほか「警察、消防などで100以上の導入実績がある」(映像コミュニケーション事業部プロモーショングループの福田博高マネージャー)。

これまで10年以上、日本HP(東京都港区)と協力して同社のワークステーションと組み合わせたセキュリティー、安定性が高いオンプレミスのシステムを提供してきた。「累計4000セットを納入してきた」(日本HPエンタープライズ営業統括ソリューション営業本部ワークステーション営業部の小俣裕二氏)という。

近年は従来の放送局など以外に遠隔操縦などの分野にも展開を目指している。2022年にはリバーフィールド(東京都港区)、KDDIとともに手術支援ロボットの遠隔操作に必要な映像・制御信号を第5世代通信(5G)スタンドアローン環境とソリトンシステムズのシステムを組み合わせて実証。23年には遠隔操縦ソリューションの「Zao SDK」が、国土交通省の「建設機械施工の自動化・遠隔化技術に係る現場検証」の実施対象に選ばれた。

オンプレミスの需要は底堅く、今後も日本HPと連携していく。伝送システムについては「8K、16Kや6G通信を視野に入れながら、小型化も進める」(福田マネージャー)方針だ。

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