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世界初、ゲノム編集による治療 英国で承認 ノーベル賞技術を応用 ... - 朝日新聞デジタル

ワシントン=合田禄

 英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は16日、米欧の企業が申請していた、ゲノム編集を使った治療法を世界で初めて承認した。対象は、遺伝性の血液の二つの難病で、一度の治療で効果が一生持続する可能性がある。このゲノム編集技術は2020年にノーベル化学賞を受賞していて、医療への応用が期待されていた。

 MHRAによると、承認したのは、米国のバイオ医薬品企業「バーテックス・ファーマシューティカルズ」とスイスのバイオ企業「クリスパー・セラピューティクス」が共同開発した治療法。「CRISPR(クリスパー)/Cas9(キャスナイン)」と呼ばれるゲノム編集の技術を使う。

 対象となる病気は、いずれも遺伝子の変異により正常な赤血球がつくれなくなり、重度の貧血などを引き起こす病気。「鎌状赤血球症」は正常な赤血球が作れず、アフリカなどにルーツを持つ人に多い。もう一つは、ヘモグロビンがうまく作れない「β(ベータ)サラセミア」で、地中海や中東、東南アジアにルーツを持つ人に多い。開発企業によると、英国では鎌状赤血球症の平均寿命は40歳前後、βサラセミアは55歳前後という。

 承認された新たな治療は、患者の骨髄から造血幹細胞を取り出し、体外でゲノム編集をして、その細胞を体に戻す。

 臨床試験では、鎌状赤血球症の患者29人のうち28人が、治療後少なくとも1年、重度の痛みから解放された。βサラセミアでは、患者42人のうち、39人が治療後少なくとも1年、赤血球の輸血が必要なくなった。

 この治療法は、米国や欧州、サウジアラビアの薬事当局でも審査されている。

 クリスパー・セラピューティクス社のクルカルニCEO(最高経営責任者)は「ノーベル賞を受賞した技術が、重篤な病気を抱える患者のために数多く応用される最初の事例となることを期待している」とする声明を出した。(ワシントン=合田禄)

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