[北京 14日 ロイター] - 北京で事務職に就く20代後半の女性リーさんは、集合住宅の2戸を購入して賃貸に回しており、中国の不動産投資家としてのステージを上り始めたとの思いをかみしめていた。そこにやってきたのが新型コロナウイルス。この影響で賃貸住宅の借り手が仕事を失って都市部を去り、賃料が下落する事態が起きている。
中国では、賃貸用住宅のオーナーになって猛スピードで中流層の仲間入りをしようとしていた数百万人のうち、今回のリーさんを含めた多くの人が、家賃収入の落ち込みという最初の関門にぶつかってしまった。
専門家の話では、今のところ住宅ローンのデフォルト(債務不履行)が広がる可能性は乏しく、不動産価格は伸びが鈍化しつつも上昇基調を崩していない。それでも賃貸用住宅オーナーが見舞われている苦境は中国経済の脆弱さを浮き彫りにしており、実際オーナーたちは消費を切り詰めつつある。
リーさんの場合、2月から5月にかけて借り手を引き留めるため所有物件の片方で家賃をほぼ半分に下げざるを得ず、一方で自身は勤め先の給与が25%カットされた。
「北京で私が借りている家の賃料と、2戸の所有物件の毎月のローンを支払わなければいけない」とため息をつく。
不動産データ会社の諸葛找房によると、中国主要20都市における7月の家賃は前年同月比で2.33%低下。何年も好調が続いてきた賃貸市場だが、これで4カ月連続のマイナスを記録した。
<消費を圧迫>
今年になって中国は新型コロナ拡大によって製造業やサービス業全般が重圧を受け、真っ先に出稼ぎ労働者が解雇された。彼らは狭小な賃貸物件の主な借り手だった。
続いてホワイトカラー層にも人員削減の波が押し寄せ、本来なら地方から都市部に大挙して流入する新規大卒者も職探しで苦闘を強いられた。こうした状況が重なり、借り手と物件オーナー双方の消費活動が圧迫されている。
都市部では短期滞在の需要さえ冷え込み、物件オーナーにとって通常、借り手減少の穴埋め手段だったはずの1つが奪われつつある。民泊仲介サービスのエアビーアンドビーとVrboの予約動向を分析しているエアDNAによると、6月に少なくとも1泊の予約を確保した中国の物件数は前年同月比で29%減少した。
諸葛找のバイスプレジデント、Yuan Chengjian氏は「2つのグループが最も痛手を受けた。1つは長期の賃貸会社。もう1つは多額の借金をして物件を買った投資家で、彼らは家賃収入をローン返済に充当しているのだ」と解説する。
広東省東莞市の2棟に所有する80戸を貸しているLuo Shuzhenさん(50)は、今年に入って借り手が30%減り、昨年購入した物件に家具を備え付ける計画は延期しているところだと打ち明けた。
本業はコンビニ経営者のLuoさんは「新型コロナがどれぐらい長引くか把握しがたいので、今年後半も賃貸事業を続けていけるかどうか確信が持てない」と弱気だ。
Luoさんと同様に、ロイターが取材した他の物件オーナーは支出を圧縮することを検討している。14日に発表された中国の7月小売売上高は、7カ月連続の減少だった。
先に登場したリーさんは、不動産オーナーとして成功する夢を持ち続けるには、もはや誰かに支援を得なければならない局面が訪れている。「私は父親にまで助けを求めた。もうすぐ30歳になろうとしているのに」と自嘲気味に話した。
(Ryan Woo記者、Liangping Gao記者)
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August 20, 2020 at 08:36AM
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アングル:中国不動産所有者、コロナで色あせる家賃収入生活の夢 - Newsweekjapan
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